鳥井かりんルート〜グランドエンディング@空を飛ぶ、3つの方法。


長いことかかったキャラ別感想ですが、これでようやく最後の一人。
若干簡単になってしまいましたが、深空ルートから続くそらみつのメインルートをひた走りたいと思います。


以下ネタバレを含みます、気にする方は御注意下さい。


~そして物語は始まった~
冒頭はかりんへと変装した深空が過去へと旅立つ下りから。
認識阻害フィールドの重要性がここまで高いものだとは考えもしなかったです。
飛行候補生として集められる面々は、それぞれに役割を持っていて、更に過去の翔と深空の間で、何らかの関わりを持つ人なのですが、
灯だけは何故メンバーに入っているのかに疑問があり、その理由も明かされるワケですが、目が見えないため、
別の感覚を鋭くすることで周りを認識していた彼女は、他の人とはその方法が異なるために普通の人には効くはずの認識阻害フィールドが効かなかった、
という意外と単純な理由だったんですねぇ。


ここからは今までの流れと基本的には同じストーリー展開を見せつつ、
たまに新しい出来事やらを加えながら空を飛ぶ方法を探す日常が始まるのですが、
主人公である翔の視点と深空が変装したかりんの視点の二つから進んでいくので、若干ややこしい。
というか、どうしてもかりん(深空)の目線でストーリーを追ってしまうため、主人公に感情移入しづらくなってましたw
深空の心のなかの声と、かりんの思っている声は当然別の声優さんのボイスで出てくるわけでして、
同じ話の流れの中で入れ替わり二人の声が聞こえてくるのは慣れるまでは結構混乱しがちでしたねぇ(笑)


ストーリーの進行としては、今までの深空ルートをなぞるようにしつつも、若干かりんを受け入れるような話の流れを辿っていきます。
最初は少しのズレにかりんが動揺する程度だったのが、次第にその変化が大きくなっていき、今まではなかった翔→かりんという気持ちの変化を見せ、
そしてついにメガネっ娘嫌いという絶対的な弱点すらも乗り越えて、かりんを意識し始める展開が面白いです。
ただ、私個人的にはそこに至るまでに何度か袋小路に迷い込んだりしてましたが(笑)
かりん(深空)は最高の結末を目指すためずっと同じ1ヶ月を繰りかえし続けていて、主人公にできるだけ好意をもたれないように注意し、
様々な結末を見ては辛い思いをしてきたので、ここで相手にされて自分の事を見てもらえるというのは、それがダメだとわかっていてもどれだけ嬉しかったことか。
しかし、本来あるハズのない歴史であり、しかも誤差とかの修正範囲を大きく超えてしまったため、これを最後の挑戦にしようと決めます。
そもそもかりんは時間移動を繰り返すたびに、その代償として自分の能力や才能など、様々なものを犠牲にしています。
勉強も、運動も、自分の寿命や絵の才能さえも・・・。それほどまでして翔の事を助けたいと思える一途さに感動しました。
最高の結末を迎えるため、この世界の深空との関係作りは歴史が繋がるに際し違和感がないようにしなけらばならず、
その結果翔&深空&かりんというトリオが結成w当然昔の深空ルートでもあったのですが、Hシーンまで3人でやるとは思わなかったなぁ・・・。
翔がかりんのことを思うたびに深空への思いが強くなり、深空への思いが強くなるほどかりんへの思いもまた増す話とかも印象に強いです。


翔と深空の関係(三人の関係)も問題なく進み、後は絵本を完成させ、父親と仲直りするだけでしたが・・・。
こればかりは、何度やっても一度だって上手くいったためしがない、今度こそは大丈夫と言い聞かせても、見守るかりんには、不安から来る震えが止まりません。
そして、運命は幾度となく繰り返す。自殺を図る深空に、それをとめようとする翔、そして、校内への進入を阻むかりん。
結局、最後まで翔には勝てず、深空の元へ行くことになりますが、今回は違います、かりんも同行し、二人で深空の説得にあたることに。
未来の深空が過去の深空に実体験をもとにした説得をしてるわけですから、そりゃあ信じるのも当然。
しかし、その中で自分の正体を深空に気付かせる結果を招いてしまい、時空のひずみができて、翔が飲み込まれていく。
この最後のチャンス、一度は諦めようとしたかりんに、みんなの声が届くこの辺りから私的には神。
特に、時空のゆがみから平行世界が混ざり、灯の神飛行機がその場に飛んできたところとか鳥肌モノだね♪
かりんが最後まであがく決意をし、タイムマシンも兼ねていたメガネをとり、現代の深空と共に翔を助けに飛び込んだ・・・。


翔が気付くと、目の前には深空がいて、自分の手をとっている。
眼下には、見慣れたハズの街が一望できるが、その景色は今まで見たどんな景色より幻想的でキレイだった。
自分は今、空を飛んでいる。
なぜ飛んでいるのかはわからない、でも、どうして今まで空を飛ぼうとしていたのか、その理由が少しだけわかった気がした・・・。


最後に、かりんがメガネをとった副作用なのか、かりんと深空が一つになった影響なのか、急に大人びた深空(と言う事にしておく)が、
改めて父親に絵本を渡しに向かうシーン。
自分の言葉で、本音で気持ちを伝えることで、今まですれ違っていた不器用な二人の心は互いを正面から受け入れ、ようやく通じ合った。
長い間の溝を埋めるには時間が掛かるが、それももう問題ではなく、ゆっくりと二人で解決していける。
絵本を受け取った父親の目から零れ落ちる一筋の涙を見たとき、思わず私も涙を流してしまいました。


・グランドエンディング
本編TrueEndingが終わった後にオマケ要素で追加された後日談(といっても絵本を渡した後、母親の墓参りに行きその後ですが)の話。
ポイントは、
・今の深空は何者(かりんがどこへ行った?)
・平行世界の記憶と時間の歪みがもたらしたもの
・何故、空を飛ぶことができたのか
・桜井不在  の4点かな(桜井不在はオマケですが)


・今の深空は何者(かりんがどこへ行った?)
→今の彼女は深空でもかりんでもないらしいです。
記憶はかりんを引き継ぐが、かりんの時に失った才能達(運動や勉強など)は全快とは行かないが、少しずつ戻っている様子。
実際に、今までのような上手ではないが、絵本作家になる夢を諦めず努力し続けている。
彼女の一番の才能である「努力し続けることで幸せを掴む力」だけは決してなくなってしまうことはなかったのだと思います。


・平行世界の記憶と時間の歪みがもたらしたもの
→深空と翔がイチャイチャしだしたところで飛行候補生御一行登場。
みんなの様子がおかしいのは、どうやら翔と甘くて切ない記憶が頭の中にあるため、深空と仲良くしているのが内心穏やかでないからだw
どうやら時間の歪みのせいで、みんなに平行世界での記憶、すなわちかけるとハッピーエンドを迎えた記憶が入ってしまったらしい。
これで、深空も含めみんなで翔を巡る大恋愛バトル第2ステージ開始ですね、とか思ってたら、翔は並行世界の記憶がないため、深空一筋宣言!!
他の娘のやるせない思いはどこへむけたらよいのやら・・・(笑)


・何故、空を飛ぶことができたのか
ここから天才科学者マーコ先生のターン♪
そもそも、時空の歪みが発生してしまうと、世界が終わってしまうとかそれくらいの規模の話があったわけで、そのエネルギーで簡単に地球なんか消滅するらしい。
実際にはそれほどまでの大事件には発展しなかったのは、そのエネルギーが空を飛ぶ力に変わったからであるとマーコ先生は推測。
私もそんな感じで頭の中では予想してたんですが、実際に空を飛んだ深空の解答は、麻衣子のそれとは異なるものだった。
空を飛ぶことができた、その答えはとても簡単なこと・・・。
その力は、「人と人との、仲間との絆が生んだ、想いの力」だそうです。
このあまりにキレイな終わり方に、してやられたというより清清しい気持ちになりました。


オマケ ・桜井不在
→別に考えるまでもないですが、平行世界の記憶が戻ったのだから静香ルートで最後のほうに、秘薬を求めて旅立つシーンがあありました。
きっとそれを思い出して、旅立ってしまわれたのでしょう、桜井元気かなぁ(笑)


・総評
最初から最後までドキドキワクワクさせてくれて、感動できる良いストーリーだったと思います。
深空ルートで話が一本の道を示しだして、今までの話が全て伏線になり、全てが繋がりを持っていく過程、
ささいな事が、実はこうだったというのが次々に分かっていき、またその時の見方まで変えられる展開には鳥肌がたつくらい緊張しました。スゴイの一言ですよ。
笑いあり、涙あり、感動ありで十分に楽しめる作品だったと思いますし、初めてやったエロゲがこれで良かったのかと思えるのはずっとずっと先のことになりますが、
少なくともこの作品をやってよかったとは思えます、非常に満足できる内容でした。



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