P2! last step「幸いを信じ少年達は荒野を目指す」感想

色々ありましたが、終わってしまうんですね。
なんだか、感慨深いですねぇ。
書きたいことはあるけれど、話が上手くまとまらんわ。
・幼き日、はじまりの物語
小学生の頃、兄と卓球をするのが楽しくて仕方がなかった。
卓球の上手い兄は、アキラにとって憧れの存在だった。
そんな兄から1点をとって、頑張りを褒めてもらえた。
それがただ嬉しくて、嬉しくて仕方なかった。
じゃあ、2点とったら、3点取ったら、4点取ったら・・・・・、
兄はどんな顔をしてくれるのだろう?


じゃあ、11点取ったら?


アキラにとって、兄は世界で1番なんだと信じていた。
涼もまた、いつかそんな選手になりたいと思っていた。


・亀裂
一度は卓球をやめた川末、再びラケットを持ち、戻ってきた結果は、
2年半前と全く変わってはいないと言い放つアキラ。
二人の心に残る、冬の日の記憶・・・。
町の小さな卓球大会に、一般の部で出場し、
小学5年生ながら優勝候補として名があがる川末。
大会には王華の城島監督も見に来るほどの注目されようだった。
そして、戦う相手は妹のアキラ。
試合は取って取られてのシーソーゲームな展開に。
周りは妹に華を持たせているだけと楽観的だが、
アキラはその異変に気付いていた。
涼が対カットマンが苦手ではあったが、自分相手にこんなにも苦戦するハズがない。しかし、ずっと涼のカットに憧れて練習してきたアキラは、
川末のように素晴らしいカットを身につけていたことに気付いていなかった。
また、川末が行きたいと言っていた王華の監督も見に来ていて、
兄の評価を損ねて夢を壊すわけには行かなかったのだろう。
たぶん、アキラは八百長をしたんでしょうかね。
でも、結局、川末に声が掛かる事がなかったのは、
城島も分かったからだろうなぁ。
たぶん、川末たちがその事実を知ったのは、それよりも後なんでしょうね。
たぶん実家の病院で検査して〜とかそんな感じだろうな。
川末は、アキラに激情する(王華のスカウトがなくなったことより、アキラが同情して八百長をしたことに怒ったのかも)も、冷静になり、川末はラケットを置いた。
それでも、その夢をアキラに託し、ずっと応援すると誓った。


・互いが見てる景色
一度は自分を応援するといって傍にいてくれたが、何がそうさせるのか、
川末は久勢北へ行き、再び卓球を始めた。
理由こそ分からないが、兄が自分から離れていってしまうのが、嫌だった。
兄が自分を見ていてくれないことを許せなかった。
冷静なアキラガ声を荒げるあたり、だいぶ心に残っていたのだろうか。
そんなアキラに、川末が口を開く。
ラケットを置き、アキラに自らの夢を押し付けたのは自分の弱さ。
僕を見て卓球をするな、と力強く言い放ち、その場を去ってしまう。
その言葉を聞き、崩れ落ち、呆然とするアキラだった。


・きっとこれから見えるもの
ヒロムは、ちょっとだけ周りが見えるようになったと思う。


本当は一緒に卓球がしたかっただけ。


そんなアキラに、ヒロムは川末が言った言葉の意味を語る。
それは、ある日、病院で自分にかけてくれた言葉と同じ、
「悔しいと思える人間だけが強くなれる。
そう思えるならば、諦める必要はないと信じている。」
あれは、川末が自分の事をいっていたものではないかという。
成長していくアキラを見ていて、一度はラケットを置いたはずの自分も、
再び上を目指してみようと思ったから、アキラにそっけない態度をとるのは、
アキラを自分のライバルと認めているから。
やさしくアキラの頭を撫でてあげるヒロムは、どこか大人に見えた。
川末はきっと強くなると誇らしげに語るヒロムだが、
アキラは少なくとも川末の限界を悟ってしまっている、
それに対しても、ヒロムは意外な答えを用意していた。


それは、アキラが教えてくれたもの、見せてくれた世界。
自分でさえも少しはあったのだから、川末にもきっとあるはず、
今はまだ、気付かないけれど、アキラには近すぎで見えなくなってるだけで、
きっと、川末もまた、「ギフト」に巡り会うことができると・・・。
強くなって、川末は帰ってくる、そうしたら、
また二人で卓球が出来る日がくるだろか。


・荒野を歩く、その道のりは果てしなく
コートに戻ると、山雀、梟宇のWは惜敗、あと一歩のところだったと言う。
追い詰められ、後がない久勢北、みんながヒロムに声を掛ける。
眞白、蒔絵、遊部、アキラ、川末、乙女ちゃん・・・。
たくさんの人に力をもらって、ヒロムは戦う。
誰のためでなく、みんなのために。
また、アキラとひとつ約束をした。
川末がまだ強くなるというなら、それを期待できるだけの証明を。
誰の見立てでも、高槻には及ばない、1セットも取れない。
でも、それでも、せめて1セットとれたなら・・・。
ヒロムは決意し、歩き出す。
それは、まるで先の見えない荒野を行くよう。
みんなの力を胸に、そして、自分のまだ見ぬ才能を信じて。
ヒロムと高槻の戦いが始まる・・・。


・まとめ
ないても笑っても最終回なんですね。
川末とアキラの過去はP2!の中でも大きな伏線の一つだったし、
ある程度回収しないわけには行かないでしょう。
アキラが悪く思っているのは、卓球をやめた、始めたじゃなくて、
どうやら、川末がアキラを見なくなったことにあったようですね。
なんかそれだけ聞くと、アキラわがままだなぁ、とか思ったりしますが、
今まで見せた冷静沈着なアキラが声を荒げたり、意外な一面を見せたし、
昔の思い出が本当に幸せだったと考えているのなら、それが続いて欲しいと願うのもまた当然なのでしょうね。
また一緒に卓球がしたいという彼女の願いは、叶うのでしょうか。
ただ、再び卓球を始める際に、何故久勢北を選んだのか、とか、
湊卓球クラブの思い出(特に遊部を含むもの)が入ってないのは、
今回は兄妹の話をメインに描いたからってのと、一番はやっぱり時間がないってことですかね。
そういえば川末母が1ページ目に初登場ですねぇ。
なかなか若いなぁ、って川末が小さい頃か(笑)
その他、岩熊にスカウトに、ドイツ人に水無瀬に、
エリスに草次郎に、御倉中にアキラの白雪etc・・・。
まだ回収されずにある伏線がそこらじゅうに散らばってしまっているのが惜しいところですが、むりやりにでも全部回収しようとしなかったのは、話の流れのほうを重視したからでしょうかね。
伏線に関しては、まだ幾らでも出てきそうで怖い(笑)
最終回まで、ペースをある程度守って(それでも早くなりがちな点もありましたが)ゆっくりと進めていた印象があり、終わりと言うよりは、
まだ道の途中な感じが強いですね。
みんながヒロムを送るシーンで、乙女ちゃんがパソコン持ってでてきた時は、
おもわず笑ってしまいましたし、無駄に凝った背景なんかも、
最後までP2!らしい印象を残してたと思います。
ここで終わる予定じゃなければ、いつかはダブルスの二人にスポットが当たった話もあったろうし(今週も見せ場なく、いつの間にか負けてましたがw)
眞白と大山崎の因縁も決着つかず、なんてことはなかったでしょうからね。
ただ、ココに来てヒロムがぐんと成長したのは強く感じ取れました。
後半から主人公っぽかったですよ(前半は完全に川末兄妹の世界だったため)
まさかアキラに声をかけるところで、川末の台詞と、才能(ギフト)の話が機能するとは思いもしませんでしたし、素直に驚かされました。
最後の最後までやってくれるなぁ、って感じです。
もうビックリしました。
しびれました。
感動しました。
ちょっと泣きそうでした。
そして、この漫画を通して、卓球がもっとスキになりました。
また、卓球がやりたくなりました。



週間のほうは今回が最終回ですが、
年明けの赤○ジャンプで最後に完結編が掲載されるらしいですので、楽しみにしたいと思いますが、どういう風に描かれるのか全く予想がつかないし、
どれくらい描くのか(巻末コメントで江尻先生は少しだけ描くと明記)
分からないのでちょっと怖かったりもしますが、まぁそれは仕方ないですね。
んで、単行本は6と7(最終巻)が年明けて3月に同時発売。
もしかしたら少しくらいコッチにも描き下ろしがあったりしないかなぁ、
とおもってたりしますが、それはさすがにないかな?
なんにせよ、江尻立真先生、連載お疲れ様でした。